_DSC2971 posted by (C)あさかぜみずほ
やっと着いた喜びと、外に並ぶ車両で興奮してしまったので、肝心の博物館の外観を写真に収めるのを忘れていました。
はやる心を落ち着かせて、まずは館内の展示をじっくりと見ることにします。入館料は530円、再入館は受付で入館券を見せれば可能です。
受付の後ろには鍵のかかるロッカーも無料で用意されており、重たい荷物を預けてゆっくりと見ることが出来る配慮もうれしい!
屋内は主に北海道の発展に寄与した鉄道を中心とした展示です。実際に使われていたであろうサボ(行先表示板)が並べられていますが、上から2番目の日豊線経由は九州のものですね…
_DSC2973 posted by (C)あさかぜみずほ
駅名標。書かれているひらがなから漢字の駅名を想起するのはなかなか難しいでしょう。アイヌの人々によってつけられた地名にひらがなの音をあて、さらに強引に漢字を載せているので、北海道の地名はどれもこれも読みづらいものばかりなのです。
右下に見える帯広←→十勝三股のサボも貴重なものです。
民営化直前の1987年3月に廃止された士幌線で使われていました。糠平から先はほとんど無人地帯で、乗客らしい乗客はほとんどいなかったといいます。そのため、列車は行先こそ十勝三股を出していましたが、1978年からは糠平からバスやタクシーで代行していました。日に数人乗るか乗らないかであった状況は容易に想像がつきますが、それでも1987年の全線廃止まで制度上は生き残っていたのですから大したものです。
_DSC3008 posted by (C)あさかぜみずほ
道内で活躍した蒸気機関車の形式銘板の数々。
現在も鉄道各社で動態保存されている機関車では「C61」だとか「D51」だとか、アルファベットで動軸を示すものがほとんどです。
それより前は4ケタの数字で形式を決めており、JR九州の「SL人吉」で走っている8620形58654はそれだけ歴史の長いものというわけです。
この番号の付け方には大きな問題があり、8620から順番に数字を割り振っていくと、81両目で8700形という別の形式に達してしまいます。番号が重複しないように、81両目からは万の位に数字をはみ出させ、18620と振り始めます。また80両造ったら万の位を2に…なんてやっていたら訳がわからなくなります。現に58654なんて何両目なのか、いちいち計算しなきゃわからないのです。写真にも68678とかいうのがありますが、パッと「ハチロクの539両目だ!」と出てくる人は相当な好き者とみて間違いありません。
_DSC3191 posted by (C)あさかぜみずほ
さすがにマズいと思ったのか、鉄道省は1928年に形式の付け方を改めます。そこから我々もなじみ深い、動軸数をアルファベットで表す方式へと変わったのです。
例えばJR東日本「SLばんえつ物語」を牽引するC57 180は、動力の伝わる軸が3つある機関車で、180はC57の中で180両目を表す、というわかりやすいものになりました。
蒸気機関車は文字通り、湯を沸かした蒸気でピストンを動かし、その往復運動を回転運動へと変えて車輪を回す仕組み。石炭を満載しているように見える2つめの箱(炭水車とかテンダー車と言います)は、ほとんどが水を入れるための水槽。
図のC62形では、石炭10tに対して水は22tも入ります。
_DSC3192 posted by (C)あさかぜみずほ
最近は大幅に数を減らしているDD51形の仕組みも図示されています。このあたりはクルマやバスと大差ないのでなじみがあると思います。
液体変速機というのは鉄道ならではの大きさですが、オートマ車についているトルクコンバータのお化けみたいなものです。
_DSC3205 posted by (C)あさかぜみずほ
鉄道は信号機にもいくつか種類があります。タテに並んだ緑黄赤の信号機は一般的ですが、それだけでは用が足りないため別の光り方をする信号機が用意されています。
右側は入換信号機、通称「入信(いれしん)」。車庫への出入りなどで使われることが多いもので、横に2つ並んで光っていれば止まれ、左下と右上が並んで光れば進んで良しとなります。
左側の特殊信号発光機は踏切の手前に設置されています。踏切の非常ボタンが押されたときに赤いランプが回るように点灯し、接近する列車に異常を知らせるものです。「クルクルパー」とか呼ばれるそうですが。これは電車でGO!をプレイしたことのある方なら、見たことがあるのではないでしょうか。
ちなみにあくまで国鉄~JRの信号機なので、入信もクルクルパーも、私鉄であれば形や光り方も異なります。あさかぜの会社も違います。
_DSC3208 posted by (C)あさかぜみずほ
_DSC3210 posted by (C)あさかぜみずほ
懐かしの列車のヘッドマークや乗車券を集めたコーナー。現役の列車も中にはありますが、オホーツクなんかはヘッドマークが変わっていますね。
JTBがJR発足30年を記念して発行した1987年3月の復刻版時刻表を見ていると、名前は残っていても運行区間が違ったり、聞いたことがあっても今はない列車だったり、往事の姿がいろいろと想像できます。
それにしても復刻版の時刻表、Amazonではプレミア価格がついて1冊15,000円にもなっています…
_DSC3332 posted by (C)あさかぜみずほ
2階には史料展示の他、鉄道模型のレイアウトや映像資料の上映スペースもあります。模型の運転は有料のようです。
映像資料は主にNHKが制作したものを使っているようで、三笠まで鉄道が伸び、繁栄していくまでの歴史がわかりやすく解説されています。また廃線間近や運行最終日のドキュメンタリーも用意されていて、全くの部外者が見ても涙を誘う構成です。
ただ4種類あるプログラムは基本的に使い回しなので、一番長いものを選べば内容は全部わかります。
外に出ては涼みの繰り返しで屋内外を往復していたので、時系列は前後します。次は屋外展示を見てみましょう。