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目が覚めたら午前5時半過ぎ。1月に入ってから、「はまなす」の青森到着時刻は北海道新幹線の工事に伴って1時間ほど遅くなった午前6時半。
いくら貸し切り車両とはいえ飲んで騒いだ瓶やらゴミやらが散らかったままですし、冷蔵庫代わりにバケツに入れていた雪もほとんど溶けて冷たい水になっています。寝たりなくて重い体を動かしながら、せっせと片付け。
青森到着15分前になってやっと落ち着きました。
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車内外のあちこちに疲れが隠せないはまなすの客車。ここまで日本の夜行列車が廃止された中で、よく残ってくれたものです。「はまなす」が廃止になれば、残る定期夜行列車は「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の2列車のみ。
サンライズは個室が基本ですから、みんなで和気藹々とできるような列車はこの「はまなす」が最後です。
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「はやぶさ」「みずほ」「さくら」…
気づけば新幹線の列車としての名前の方が定着してしまいました。百歩譲って「みずほ」「さくら」は九州に関係ある列車名なのでまだしも、東北へ来る「はやぶさ」というのは未だに違和感を覚えます。
「現状に対応できない、オタク特有の凝り固まった思考」と言われたら否定はできませんけどね。
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反対側に入換用のディーゼル機関車が連結され、車庫に引き上げる「はまなす」の客車。引退まであと2ヶ月足らず、今後乗る機会はもうないことでしょう。
駅から歩いて10分ほどの「青森まちなか温泉」で疲れと汚れを落として、再び青森駅へと戻ってきます。
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「はまなす」が通常通りの5:39着であれば風呂を出てから朝食が食べられたのですが、新幹線準備ダイヤで1時間削られているので朝ご飯の時間がなくなってしまいました。
仲間より一足先に温泉を飛び出し、青森まで足早に戻ってきてから新青森までのきっぷを購入、電車に飛び乗ります。
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駅弁を買って戻ってくると、始発の特急「白鳥」93号が発車を待っていました。今日の目当ての1つはこれ。朝食を食べても青森で問題なく乗れるのですが、せっかくの485系ですから始発駅から乗っておきたい。というわけで、昨日と同じようにわざわざ別にきっぷを買ってまで新青森まで来たのです。
所定ならば6両編成ですが、この日は堂々の8両編成。
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この白鳥も、3月26日のダイヤ改正で廃止。老朽化の進んでいる485系は同時に廃車が予想されています。いくら「はつかり」時代にリニューアルが行われたとはいえ、そのリニューアルからも20年近くが経過しています。
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リニューアル当時ではそんなに多くなかったLED式の行き先表示も、今の時代は当たり前。それどころから3色ではなく実質的に無制限に色を再現できるフルカラーLEDも登場し、わずか20年の間で鉄道の技術もずいぶん進歩しました。
まだまだ初期のにおいがする485系3000番代の3色LED表示器。もはや表示の古さに懐かしさすら感じるぐらいです。
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後にデビューしたE751系とあまり変わらない内装。リクライニングシートもフリーストップ式で座面も動くタイプで、首都圏で走るE257系と遜色ありません。
止まっている分には至って快適ですが、やはり走り出すと国鉄車両然とした乗り心地です。低速域でのなめらかさが全くない、ゴリゴリという感じ。これでこそ国鉄型ですが、乗り心地という面では新しい車両には適いません。
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青森では約20分の停車。これだけの停車時間があれば朝食を食べて乗れたわけですが、先ほども書いたようにせっかくなら始発駅から乗っておきたいオタクのこだわりというものがあったわけです。
そして恒例の懸案事項、中国人も乗車。静かに乗ってくれるならいいんですが、例によって人の荷物を勝手に動かしたり、子供は騒いだりと相変わらずマナーは最悪。音鉄趣味で録音している最中に来られることほど迷惑なことはありません。
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気を取り直してお弁当をオープンしましょう。手を滑らせて一度落としてしまったので、ウニやら紅ショウガが箱の中で散らかっていますが…
ここ2日間食べ続けているのと同じ、ウニとイクラとカニの味。まぁそろそろいいかなと思いますが、味がしみていておいしいです。やはり生には勝てませんが。
お肉の方はちょっとよくわからない味…素材の味を生かしたとでも言いたげな感じですが、味が薄くてあまりご飯の進む味ではありません。どうせ少ししか入れないのですから、もっと濃いめの味付けにしてくれればいいのにと思います。紅ショウガじゃご飯のおかずになりませんし。
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新幹線は交流25kV、在来線は交流20kVと両者の間には5,000ボルトの電圧差があります。その両方の電圧に対応するため、EH800型という新しい電気機関車を開発。対応していないEH500もまもなく青函トンネルを抜ける運用から撤退します。
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信号場を抜けて急な→カーブを描いていくと、いよいよ開業まで2ヶ月足らずに迫った北海道新幹線の巨大な高架橋へと近づいていきます。高架橋の脚だけを見ても、新幹線の方がはるかに太く作られているのがよくわかります。
ここからは新幹線との供用区間。線路の幅が1435mmと1067mmで約40cmほど違うため、レールを3本並べた「三線軌」の区間が北海道まで続きます。
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海峡線の津軽今別は新幹線の開業後、隣に作られた新幹線駅「奥津軽いまべつ」に機能を譲り、廃止となります。小さなホームがあるだけの津軽今別に対して、奥津軽いまべつは立派なスノーシェルターつき。周辺の集落の規模に対して、場違いなぐらい巨大なコンクリート建造物です。
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青函トンネルに入ると外の景色も何もないので、iPodの音楽を聴きながら爆睡。気がつけば北海道に上陸して海沿いを走っていました。
青森ではだいぶ雪が降っていましたが、北海道では晴れ間が覗いています。残念ながら窓は汚れと水滴で外の景色が見えづらい…
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五稜郭に到着。駅の手前にはぼろぼろの急行型気動車が放置されていました。なんでこんなところに置いてあるんだろう…?
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終点の函館にまぁいつも通りと言うべきか、3分ほど遅れての到着でした。車内から出ると、ホームは人であふれていました。どうやら中国人の団体がこの「白鳥」と正面に待機する「北斗」に大挙して乗り込んでいくようです。駅から出るにしても身動きが取りづらくて仕方ありません。本当にどこへ行っても邪魔!
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エンジン換装や部品交換によって北斗運用に復帰したNN183系列。車両の塗装も塗り直されたのか、きれいになっていました。エンジン換装に伴って新たな番代区分が生まれているので、複雑だったキハ183系の分類がさらに複雑になっているようです。
函館から札幌まではまた次の機会に回して、今日は東京に戻らなければなりません。
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職場の同僚に頼まれていた入場券を購入しに、函館駅のみどりの窓口へ向かいます。窓口の外には汚い紙袋が置かれていて、ゴミかと思っていたら順番取りのようです。
2月26日午前10時に始まる、新幹線1番列車を押さえるための順番取りという内容がこの紙からわかります。まだあと3週間以上もあるのに、アホじゃなかろうかと思いますが…
そんなに一番列車っていいものでしょうかねえ?混んでいるのが嫌なので、新線は開業してから半年以上経ってからでなければ行く気のしないあさかぜからすると理解できませんが。
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テレビなどではいかにも函館に新幹線が来るように言っていますが、新幹線の駅「新函館北斗」ができるのは函館から約18km離れた現在の渡島大野。函館まではアクセス列車で15分ほど離れています。
ですから、函館の駅で周辺を見渡しても新幹線の構造物は一切見えません。
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青函トンネルをそのまま戻ってもいいのですが、せっかくなので趣向を変えたルートを選ぶことにしました。結果として中国人の群れの中に飛び込まなくて済んだので良かったかもしれません。
函館の駅前からシャトルバスに乗って、函館フェリーターミナルへ向かいます。
函館帝産バスと名乗っていますが、空港とフェリーの2種類の連絡バスのみ運行しており、正式な社名は函館タクシーといいます。運転席後ろの座席に座ると、タクシー会社らしく配車の無線が聞こえてきます。
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フェリーターミナルでお土産を買い、いよいよ船に乗り込みます。7,000トン以上ある大型の船で、9月に愛媛で乗った宇和島運輸のフェリーと比べると4,000トン以上の差があります。
上に伸びる空港にあるようなボーディングブリッジは、「ブルードルフィン」「ブルーマーメイド」という2隻のためのもの。今回乗る「びなす」は自動車と同じように後部のスロープから乗り込みます。
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一旦自動車を止めて、我々徒歩乗船者が案内されます。ゴロゴロとキャリーケースを転がしながら50mほど鉄板の床を歩いて行くと、右側に客室への入り口が小さく開いています。そこからエスカレーターで上へ上がっていくと客室です。
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2等客室はカーペット敷きの雑魚寝空間、というのはどこのフェリーも一緒。閉じられているカーテンの向こう側には函館の町並みが広がっています。
この日は残念ながら、凍結の恐れがあるためということで甲板には出られませんでした。最後ぐらい北海道の冷たい風を浴びたかったところですが、安全のためには仕方ありません…
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小腹が減ったので、ビュッフェコーナーの自販機でカツサンドを購入。冷凍状態で出てくるので、それを近くの電子レンジに入れて自分で加熱するスタイル。なるほど、自販機内で調理されるよりは時間的に早いかも?
飲み物はキリンガラナ。北海道限定という文字の通り、本州ではなかなか見かけません。どうやら北海道のコンビニチェーン「セイコーマート」が進出している茨城や埼玉では購入できるようです。
味はコーラとほとんど変わりありません。でも北海道へ来たならこれを飲んでおかないと。
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夜景の名所、函館山も見えます。こうやって全体的に見るとずいぶんゴツゴツした形をしていることにちょっと驚き。なるほど、要塞にしやすそうな形です。
その麓のドックには商船三井フェリーの「さんふらわあ」らしき船の姿が。火災事故の発生した「さんふらわあ だいせつ」の修繕工事でも行われているのでしょうか。時間があれば、大洗から苫小牧までゆったりと船旅というのも面白そうです。
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ビュッフェコーナーの入り口には、津軽海峡フェリーで運航されている船のペーパークラフトが展示されていました。すごく細かいところまで再現されているペーパークラフトで欲しくなってしまいましたが、無慈悲にも「ペーパークラフトは販売しておりません」の文字。残念…
いつか発売されて欲しいものです。
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今乗っているのがこの「びなす」。青森~函館航路へ1995年に就航し、2008年に東日本フェリーから津軽海峡フェリーに引き継がれて今に至ります。総トン数7,198トンで、津軽海峡フェリーの中では2番目に大きな船です。
船名の由来は美の女神「VENUS(英語読みでヴィーナス、ラテン語読みならウェヌス)」から。
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1994年に就航し、東日本フェリー時代には国際航路でも活躍した船。2010年から津軽海峡フェリー籍に変更となって現在に至っています。「びなす」も「ブルードルフィン(登場当初の船名は「ほるす」)」も就航から20年が経過しており、あと5年ほどで耐用年数の25年を迎えます。
津軽海峡フェリーは2016年度に2隻の新造船を投入する予定で、2014年にデビューした「ブルーマーメイド」と同じ大きさの8,800トンのものがデビュー予定。それに伴って、「びなす」「ブルードルフィン」は引退となるとのこと。
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船内はきれいで20年の経年を感じさせません。多少トイレに時の経過が見られるぐらいです。
だがしかし、このゲームコーナーを見ると時代の流れを感じます。これはKONAMIの「ぱずるだま」でしょうか?カプセルホテルなんかでも未だに見かけますが…
このキャラクターの絵柄といい、ブラウン管の画面といい、時代を感じさせる要素しかありません。ホテルやフェリーでそこそこ残っているのが若干驚きです。
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函館港で電話しておいたので、定額タクシーがすでに青森港で待っていてくれました。フェリーからターミナルへは本来ならば送迎バスでの移動となるのですが、タクシー利用者はそのまま目的地へ連れて行ってくれます。
わずかあさかぜ一人のために、NV200バネットのタクシーが来てくれていました。乗り合いかと思っていたら、そもそもタクシー利用者がほとんどいないようです。
15分ほどで新青森駅に到着。バスを待つよりも遙かに早い時間で着いてくれて助かりました。
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雪のないシーズンなら広い駅前広場なのでしょうが、この通り1メートルはある雪で覆われています。所々、人一人が通れる程度の通路が用意されているものの、青森県の雪深さがよくわかります。
こんなところまで新幹線は定刻通り走ってくるのですから、高速鉄道技術はたいしたものです。
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さて、今朝は自分の確認ミスと判断ミスで海鮮丼を食べ損なってしまいました。新青森駅構内の食堂でもなんとか海鮮丼にはありつけるようなので、旅の思い出に食べることにしました。
お値段は2,300円以上とそれなりに割高。量も青森の「市場食堂」に比べたら少なめですが、まぁ駅構内の食べ物といったらこんなものでしょう。
値段の高さを差し引いても、やはりうまい…
一昨日からお弁当の中に入っている乾いた具材しか食べていなかったので、生の海鮮がとてもおいしい。ぷりぷりのホタテ、甘いウニ、プチプチしたイクラ。同じ値段でこれだけのものが東京で食べられるかといったら無理でしょう。
朝からいろんなものを食べているので、ちょっと少ないぐらいの量で十分だったかもしれません。
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職場や家族へのお土産を買ってから新幹線のホームへ上がります。新青森から新幹線に乗るのもこれで3回目か4回目ぐらいでしょうか。高いだの何だの言いながら、結局新幹線が便利なのでこうして乗ってしまうわけです。新函館までできてからも、果たして「まぁ便利だし乗るか」という利便性が出ればいいですが…
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今回もグリーン車を選択。やはり長距離を移動するのに最も向いているのはグリーン車です。グランクラスはやはり庶民にはお高い存在ですし、指定席は足音が響いて落ち着かないことがままあります。
ちなみに「えきねっと」で設定されている「お先にトクだ値」「トクだ値」は残念ながら3月25日乗車分で終了。北海道新幹線開業以降はトクだ値系は指定席のみの発売となってしまうのは非常に残念。
グリーン車でも最大25%割引の値段で乗れるというのは、JR東日本の中ではずいぶん気の利いた取り組みだったのですが…「割り引かなきゃ乗れない庶民は指定席に詰め込まれてろ」ということなのでしょうか。
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某県民性番組でも取り上げられて有名になったスタミナ源たれ。それを使ったホタテ焼きということですが、ちょっと新幹線の車内で食べるには開けづらいパッケージング。
一緒に買ったチーズちくわとビールをお供に列車旅を楽しみます。といってももう外は真っ暗。毎度のことながら眠くなるので、寝たり起きたりを繰り返しながら現実世界へと戻っていきます。
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見覚えのある景色が窓の外を流れるようになって、だんだん気分が暗くなってきます。良くも悪くも違う世界を味わっていましたが、いよいよ埼京線や京浜東北線が並ぶようになってくると旅も終焉。
疲れとは違う何かで体が重くなりました。やれやれ、また仕事に追われる毎日が始まります。