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高松駅目の前の「高松パールホテル」を出発します。
数はわずかですがカプセルルームがあり、格安で泊まることができます。シャワーも完備。駅からすぐなので非常に便利です。
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徒歩1分とはいうものの、横断歩道が駅正面にないので少々不便な高松駅。交通量の少ない時間なのでいいとしても、昼間はグルリと横断歩道まで回らなければなりません。
千葉県船橋市の某キャラクターのような雰囲気がなくもない、高松駅の「顔」。まだ6時前だというのに、顔の下には大学生らしき集団が集まっていました。さすがにこんな朝早くからうどん屋も開いていないので、そのまま駅構内へ。コンビニもやっていないので、ホームの自販機で飲み物だけ購入します。
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今日のスタートは6:04に発車する特急「しまんと」1号から。土讃線を高知まで進み、そのまま昨日通った窪川から土佐くろしお鉄道へ直通、中村まで走る所要4時間のロングラン列車です。
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座席はもちろんグリーン車を選択。連休初日なのでもっと乗ってくるかと思っていましたが、どの車両も数名ずつしか乗っていません。
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隣は岡山へ向かう快速「マリンライナー」。朝4時台から運転される早起き列車です。最終列車も0時過ぎまであり、香川と岡山の海を挟んだ結びつきの強さを感じます。
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直流1500Vの下しか走らない特急「いしづち」103号。本来であれば新型車両8600系が充当されるようですが、夏の節電ダイヤのためか2000系気動車が待っていました。
「いしづち」の出発した4分後、「しまんと」1号も高松を発車。いしづちの後ろにくっついて予讃線を西へ進みます。
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昨日の予定変更に伴って乗れなくなってしまった8600系。今回の旅では乗ることが叶いませんでした。
いしづち103号に入るはずだったその8600系は、多度津の駅の留置線に止まっていました。現在は2両編成2本をつないだ4両編成で高松~松山間を1日1往復する運用のみ。今後2両編成と3両編成が増備され、「いしづち」に使用されている2000系気動車を置き換える予定です。
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初日は阿波池田までしか乗りませんでしたが、今日はそこを超えていよいよ四国山地へと突入していきます。列車は吉野川に沿って走りますが、地形の関係か何度か橋で川を渡ります。
標高も高くなってきて、雲というか霧が立ちこめます。
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振り子列車の本領を発揮して、山を右へ左へとカーブと勾配で越えていきます。乗っているとあまり感じませんが、前を見ていると車体がはっきりと傾いているのがわかります。
特にこの大歩危峡を越える区間は急カーブの連続。ゴリゴリと車輪とレールのこすれる音を響かせながら、できる限りのスピードで突っ走ります。
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歩くと危ない、と書くだけある急峻な地形の連続。どちらにしろ蛇行して流れも速そうな吉野川では、船でも危なそうな感じです。
山を下りると、まもなく昨日通った後免。ここで後ろの方の普通車にはかなりの乗車があったようです。半室グリーン車の座席も半分以上が埋まり、あさかぜの通路を挟んだ隣も家族連れが座りました。どうやら中村方面へ向かうようです。
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高松から2時間15分ほど、昨日に続いて高知に到着です。3分の停車で「しまんと」は発車。
あさかぜはここから松山へ高速バスで向かいます。さすがに今日も予土線・宇和島経由で松山へ向かっているほどの時間の余裕はありません。
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今日も1000形気動車がお出迎え。今さっき出て行った「しまんと」のあとすぐに発車していきます。
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昨日は急いでいたので気づきませんでしたが、コンコースには「歓迎」ならぬ「歓鯨」というジョークの利いた演出がありました。高知県と言えば鰹が有名ですが、捕鯨でも栄えた場所。市内では鯨料理を食べられる店もあるようです。どこかのグリーンピースだとかシーシェパードだとかの、自称「環境保護団体」という名の暴力団が聞いたら怒り狂いそうな話ですね。
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駅前にはとさでん交通の路面電車が乗り入れています。写真の600形は30両以上が在籍する、土佐電気鉄道時代からの主力車両。
ちなみに高知県内の一部鉄軌道・バス事業者ではICカード「ですか」が使用可能。昨日乗っていた高知東部交通でも、車内の自動放送で「ICカード『ですか』は~」という放送が流れていました。当然のことながら全国共通利用は不可。通信規格も共通のものではないため、JR四国がICOCAを導入したものの、互換性はありません。
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朝から何も食べていないので駅弁を探したのですが、昨日の駅弁スペースには何も置いてありませんでした。高知駅は駅弁を売る気がないようです。
駅の反対側にあるサークルKでおにぎりを購入し、バスの中で食べることを画策します。バスの中では飲食はオススメされませんが、連休中ですから何人かおやつのごとく何かを食べ始めるに違いありません。
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路面電車の土佐電気鉄道、路線バスの高知県交通、貸し切りバスの土佐電ドリームサービスの3社が2014年に合併してできた「とさでん交通」。現在は3つの事業を総合的に行っています。
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松山ゆきの高速バス「なんごくエクスプレス」号はジェイアール四国バスの運行。ちなみに写真は先に発車する大阪ゆきの高速バスです。
同じ区間は伊予鉄バスととさでん交通も運行していますが、「ホエールエクスプレス」号と全く別物で、共同運行という形態は取っていません。完全なライバル関係にあるようです。
車内は満席。近くには周りの乗客にベラベラ話しかける騒がしい、ちょっとオカシイヤツもいて、なかなか連休っぽい雰囲気になってきました。全くうれしくありませんが。予想に反して誰も車内で食事をし始める人はおらず、お預けを食らいます。一部を除けばみんな常識的な人ばかりだったようです。
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なんごくエクスプレス号は早速高知市内の渋滞にはまり、大幅に遅れだしました。高知から松山へ一直線に向かう高速道路はないため、一度来た経路を戻るかのように高知自動車道を北上し、瀬戸内海側まで戻ります。川之江ジャンクションから松山自動車道を西へと向かいます。
予讃線は今治や伊予北条といった瀬戸内海側をグルリと回りますが、高速道路は一直線に松山へ。そりゃ特急の乗客がどんどん高速バスに奪われていくわけです。とはいえ正確な時間が読めない高速バスは困ったもので、結局20分以上も遅れて松山駅に到着。余裕時間はあるのでいいのですが、満席のバス車内に3時間も居るのはなかなかしんどかった…
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そもそも時間に余裕を取ってあったので、昼食は急ぐことなくゆったりと食べられます。
駅のロータリーの反対側、ゲームセンターなどが入っている建物に今日のお目当てのラーメン屋「おが多」が入っています。
徳島ラーメンはこってりした豚骨醤油ですが、こちらの松山ラーメンはあっさりとした醤油のスープ。ベースは鳥だそうです。
表面に山のようにネギが浮いているのがおが多の特徴。このネギに隠れてあまりわかりませんが、スープはびっくりするほど透き通っています。味も濃すぎず薄すぎず、これなら全部飲み干せそうです。後で猛烈にのどが渇くのが見えているので、2/3ほどいただいたところでごちそうさま。
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2日ぶりの松山駅です。初日と同じくいい天気。出発まで時間があるので、今回の旅行で代わりに仕事をしてくれている先輩や、プライベートの仲間にお土産を買っていきます。
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駅前には「いのとん」なるゆるキャラが売り込みをしていました。
松山市から内陸に入った東温市のキャラクターで、自然の守り神として住んでいる白いイノシシなんだとか。同じ愛媛県内のゆるキャラとはお友達なんだとか。
見た目は女の子っぽい感じですが、公式での性別は不明とされています。
この日は松山市の気温は28度。暑い中お疲れ様です。
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ホームに入って待ちます。
南側の伊予市までは予讃線が電化されています。伊予市の駅前には伊予鉄道の郡中港駅も置かれており、日中15分間隔。利便性では伊予鉄に軍配が上がります。
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駅構内には松山運転所が併設され、7000系電車ばかりがゴロゴロしています。6000系と同じく、運転台後ろの扉は片開き、真ん中の扉は両開きという他社には見ない独特のデザインです。
見たところ、片側だけに運転台のついた7100形はいないようです。
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ホームの目の前には、検査から出てホヤホヤと思われるキハ185系が止まっています。
この車両、初日に乗った「剣山」などに使われているものとは違い、普通列車用のキハ185系。テーブルやリクライニングが撤去されたり、キハ40系などとの連結ができるような改造がされたりしています。
個人的には特急形車両そのものなので「乗り得列車」に思えますが、混み合う時間帯にはドアが2カ所でしかも狭いので、乗降には時間がかかりそうですね。
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ホーム上にはクーラーボックスが置かれていました。この後に発車する観光列車「伊予灘ものがたり」で提供される食べ物なのでしょう。
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乗車口とおぼしき場所にはちゃんとマットも敷かれています。なかなかの気合いの入りようです。
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で、乗る列車はこちら。旧線回りの伊予大洲ゆき。残念ながら「伊予灘ものがたり」ではありません。
バースデイきっぷでも「伊予灘ものがたり」は乗れるのですが、わざわざ食事を頼むほどではありませんし、頼まないで周りが食べているのを眺めているというのもなんだかなぁ…ということで今回は乗りません。
車両はキハ54形。例によって車内はオールロングシートのトイレ無し。設備的に見れば、伊予灘ものがたりの方が圧倒的に良いのは確かです。
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隣の市坪で、松山に回送される「伊予灘ものがたり」の車両とすれ違いました。改めて見てみると乗りたくなりますが、まあいつか来たときに。
伊予市の隣、向井原から旧線に入ります。内子線方面へ向かう立派な高架橋の右に分岐する、貧弱な線路がこれから進む旧線です。
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内子線が開業し、内陸側で予讃線が南北につながる1994年までは、この旧線が宇和島へ向かうメインルートでした。
風光明媚な区間ですが、海沿いを走るが故に天候に左右されやすく、また落石も多い区間だったといいます。
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内陸側のルートが開業して以降は、特急は全列車が、普通列車も多くが内子線経由に。旧線は草ボーボーの単なるローカル線へと変化しました。
先ほどまでとは違い、ユサユサと車体を揺らしながらのんびりと進みます。
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山間の区間を抜けると、突如海辺に出ます。車窓に広がるのは伊予灘。この美しい海の景色こそが旧線の最大の魅力。
今までただのローカル線として知る人ぞ知る状態になっていましたが、JR四国は「愛ある伊予灘線」という愛称を付けて観光路線としてアピールをし始めます。その最大の目玉が、車内で地産の食材を使ったお弁当を提供する観光列車「伊予灘ものがたり」というわけです。
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運行の区切りとなる伊予長浜に到着しました。行き違いもなく、のんびりとした時間が流れます。
どうも特急運行路線では行き違いの遅れなどでセカセカしがちですが、ここではのんびりとした時間が過ぎていきます。
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とはいえ、20年前まではここも特急が走り抜けていた区間でした。のどかな光景と、一線スルーなどの高速化が全く行われていない路線環境からは想像もできませんが。
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伊予白滝で対向のキハ32と行きちがい。ここまで来ると終点の伊予大洲はもうすぐです。
輝く海がずっと続く景色の美しい区間だけに、走っている車両はオールロングシートのキハ54とキハ32というのは何とももったいない区間です。
とはいえ、多くはない地域輸送を見ると、今さら車両に手を入れるわけにもいきません。
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伊予大洲では八幡浜ゆきが到着を待っていました。例によってオールロングシートのキハ54ですが、八幡浜までは20分ほどなので大したことはありません。
ガラガラのキハ54は終点の八幡浜で行き先を変え、そのまま宇和島ゆきとなります。
残念ながらあさかぜはここでJR四国から離脱。
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さて気になるJR四国の完乗率ですが、100%には残念ながら到達していません。惜しいところで98.7%…
実は初日には気づいていたのですが、瀬戸大橋線に全て乗れていません。本州から四国に入ってから二股に分かれるのですが、その西側、つまり左の辺がまだ乗れていないのです。
今回のプランではどうあがいても乗れなかったので、ここだけ後回し。よりによって特急しか走っていない区間が残ってしまいました…
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まぁ今更どうのこうの言っても仕方ないので、駅前からバスに乗ってさっさと八幡浜港フェリーターミナルへと向かいます。バスで10分もかからないぐらいで八幡浜港のフェリーターミナルに到着。
伊予鉄グループの「伊予鉄南予バス」と、地元の宇和島自動車を合わせると、1時間に2~3本ほどフェリーターミナルを経由するバスが運行されています。南予バスは佐田岬半島の先端、伊方町へと向かって去って行きました。
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フェリーターミナルから道路を挟んで反対側には、道の駅「八幡浜みなっと」があります。土曜日の昼下がりということもあって、だいぶクルマが入っています。
向かって右側が交流館と物産館「「アゴラマルシェ」。正面に見える白っぽい建物が、地元で水揚げされた海産物を取り扱う「どーや市場」です。物産館で自宅へのお土産に乾物などを買ってから、市場も覗いてみます。
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基本的に市場の営業時間は午前。海産物バーベキューのコーナーも昼過ぎには終わっており、市場の中もほとんどの店が営業を終えています。午前中に来れば、たくさんの新鮮な海の幸が見られたり食べられたりしたことでしょう…
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数少ない開いている店舗の水槽に、見たことのないエビが入っていました。「うちわ海老」と出ています。どうやって食べるんだろうこれ…?
あとで調べてみたら、やはり都市部ではほとんど知られていない種類だそう。身がぎっしり詰まっていて甘く、刺身でも焼いてもおいしいそうですが、一般的にはゆでて食べるものとのこと。ちょうど今頃が旬。
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フェリーターミナルの中に入ると、ちょうど乗船手続きが始まろうとしているところでした。台帳に個人情報を記入し、別府ゆきの乗船券を購入します。
壁で仕切られた1等や特等の船室もありますが、片道2時間40分なので雑魚寝空間が広がる2等船室(3,100円)を選択。船に乗るまでの間、おやつ代わりに朝方買ったおにぎりを消費します。
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のり弁風味のおにぎりは非常に食べ応えのある優秀なおにぎりでした。大きめの丸いおにぎりの中に、白身魚のフライ、唐揚げ、昆布の佃煮、ちくわの磯辺揚げというのり弁の標準的なおかずが小さいながらもぎっしり入っていました。値段も300円近くしましたが、これ1個でそれなりにお腹いっぱいになれます。コンビニのおにぎりとしては、今まで食べた中で抜群の満足度です。
そんなことをしているうちにまもなく乗船時間。右側につながれている「えひめ」で別府港へと向かいます。
乗船口は移動式のタラップ。クルマの場合は客室と同じフロアに上がるスロープがありますが、徒歩で乗船する場合はこの急な階段のタラップのみ。高齢者にはちょっと大変な乗船方法ですが、ほとんどのフェリーはこんなものでしょうか。
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出港前に甲板に上がってみました。後ろには先ほどの道の駅八幡浜みなっとが。17時を回って、かなり日が傾いてきました。風もかなり涼しい。
今回の四国は良い天気に恵まれて何よりでした。大雨の東京を出たときはどうしたものかと思っていましたが…
ちなみに初日、松山駅に着いてから「あれ、俺傘どうしたっけ?」と一瞬不安になりました。考えてみれば、明け番で職場、つまり駅からそのまま電車に乗って、そのまま乗り換えの駅という駅はすべて屋根付き。空港でも屋根の外に出ることはなかったので、そもそも傘なんて持っていなかったのでした。余計な荷物を増やさなくて良かった。
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煙突につけられる会社ごとの目印、「ファンネルマーク」。宇和島運輸はそのまま「宇」の字。
社名の通り以前は宇和島発着の航路もありましたが、現在は八幡浜から臼杵・別府までの2航路のみ。ちなみに、宇和島周辺で宇和島バスというブランド名で運行する「宇和島自動車」という会社は、以前はこの宇和島運輸の子会社でした。すでにグループから外れて70年近くが経過し、現在では資本関係は一切ありません。
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船を係留していた舷側のロープが外され、いよいよ出港です。
桟橋から離れてバック。港の中でグルリと180度回転し、港の外へ。
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港町八幡浜らしく、港を出る手前には栗之浦ドックという企業の造船設備。四国旅行中には各地でこうした造船所を見かけました。
コンテナ船のシェアでは中国だか韓国が世界第一位と言われていますが、こうして日本のいろいろなところでまだまだ様々な用途の船が作られているわけです。
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細く突き出した佐田岬半島に沿って、船は西へ。海の上に出ると、涼しいと感じた風がもはや薄ら寒いぐらい。9月も後半、すっかり秋めいてきています。
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八幡浜~臼杵間、この宇和島運輸と同じ航路を結ぶ「九四オレンジフェリー」。運航便数も1日7往復と同じ。宇和島運輸より少し大きい船2隻が行ったり来たりします。
所要時間は臼杵航路の方が短いのですが、臼杵の場合は港へのアクセスと宿泊そのものの利便性があまりよろしくありません。所要時間が長く、料金も高い別府の方が、公共交通機関利用者としては利便性が高いのです。
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海風を十分に堪能したところで、船室に戻って惰眠をむさぼることにします。
何せ、昨晩は洗濯物をしていたせいで寝たのは25時頃。起きたのは早朝の「しまんと」に間に合わせるために5時半前。しかもカプセルですから、眠りの質は推して知るべしです。どうせ外も暗くなってきてやることもないので、やることといったら寝るぐらいです。
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フェリーおなじみの四角い枕に頭を預けて、カーペットにごろ寝。2時間近く爆睡していると、別府入港まであと20分ほどになっていました。
ゆっくりと近づき、左舷を桟橋に接岸。電動のタラップが接続されます。八幡浜港よりは傾斜の緩い階段です。
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久しぶりの九州上陸です。フェリーターミナルの前には出迎えの乗用車やタクシーが待っていますが、あさかぜはすぐ近くの別府交通センターへ。
すぐ目の前に止まっていたバスがちょうど大分駅前ゆきだったので、それに飛び乗ります。バスはnimoca対応なので、手元のSuicaでも利用可能。共通利用が始まってから便利になったものです。
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バスの車内はベトナム系の人ばかり。服の背中の文字を見ると、この近くにある「立命館アジア太平洋大学」、通称APUの学生さんたちのようです。旅客機マニアからすると、APUと言われたら機体後部の補助エンジンしか思いつきませんが…
ベトナム系13人、日本人はあさかぜ含めて3人という異様な乗客の構成。この頃ずいぶん東南アジア系も増えました。彼らの中には英語も通じなければ、二言目には「ア~、ワカラナーイ」と言い出すのもいるので、接客業としては困る場面もしばしば。留学する日本人もそうですが、同郷の人間と一緒になってしまうと結局その国の言葉って上達しないのだそうですね。
広々とした別大国道を走って、30分ほどで大分駅前に到着。3年ぐらい前に来たときとは駅前が様変わりしていて驚きを隠せませんが、とりあえずそれは翌朝に回して夕食です。
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大分と言えばやはりこれ、とり天です。
ガイドブックに載っているような有名店はほとんど別府駅周辺。大分駅の近くでも20時過ぎには終わってしまうようなお店が多く、遅くまでとり天を食べられるのはあまり多くありません。ありがたいことに、駅ナカに「驛亭」という食堂があり、そこでとり天定食を味わうことができます。
メニューを開くと一応数量限定とはなっていますが、この時間でも注文できたことを見ると、数は十分にあるようです。
衣がサクサクとしておいしいとり天。ぽん酢をかけて食べますが、置いてあるぽん酢がカボスというのがまた大分らしいところ。和辛子をつけて食べるというのは初めて知りました。
追加でもっととり天を頼もうかと思うぐらいでしたが、自分を抑えて退出。ホテルまで約20分ほどの道のりを歩きます。
今夜の宿がこの旅行中一番遠いところ。さすがに駅近隣で大浴場のある安宿、ともなると大きな駅前では見つかりませんでした。