続いてレガシィ・ツーリングワゴンに試乗。
あさかぜが「欲しい!」と思っているのはセダンタイプのB4ですが、こちらには用意がないとのこと。同じ足回りのステーションワゴンであるツーリングワゴンに載せて頂きました。モデルは「2.5i B-SPORT EyeSight G-Package」。
デビュー当初は厚かましくも
「ついにレガシィも釣り目ライトになっちまった。欲しいとは思わんな」
などと思っていましたが、今になって改めて見るとびっくりするほどカッコいいクルマであることに気づきました。
押しが強くないインプレッサのデザインと違い、ライト両脇部分の盛り上がりなどにマッチョな雰囲気が漂います。車高の高さも相まってどっしりとした風格。幅は1,780mmと最近のミドルクラスのクルマにしては標準的なサイズですが、実際に見ると数値以上に大きく感じられます。
HIDが標準装備のヘッドライトはフロントグリルと合わさって威圧感あり。やはりマッチョな雰囲気ですね。
車内に入って感じるのもやはり「デカさ」。
ステーションワゴンですから当然といえば当然かもしれませんが、リアガラスが遠い…!横方向の広さも相当あり、インプレッサに比べると巨大であることを実感します。わずか4センチ、されど4センチ。
以前トヨタ・カムリハイブリッドに乗ったことがありますが、あのクルマより車幅は狭いにもかかわらずレガシィの方が広く感じられます。
内装色はインプレッサ同様、黒一色。イルミネーションなどはさっぱり気づきませんでしたが、ドアを開けた時に足元でランプが光ったりするようになっているようです。
エンジンをかけると、インプレッサ以上に静か。スピードメーター、タコメーターの針が右に振れて戻ってきます。ディスプレイは2つのメーターの間にフルカラーのものが入っており、ここに航続距離やアイドリングストップの合計時間、アイサイトのクルーズコントロールの情報などが表示されます。ダッシュボード中央には白色のデジタル数字を表示するメーターがついており、時刻や燃費はそこに表示されています。ちなみに試乗車の燃費はリッター7.3km。街乗りですからこんな感じになってしまうのは仕方ないでしょう。やはり高速道路のクルーズではリッター15km前後まで伸びるとのことです。
アクセルを踏むと、驚くほどにパワフル。エンジンそのもののパワーもあるのでしょうが、CVTの設定がいいのかもしれません。軽く踏むだけでグイグイ加速していきます。時速60kmまで素早くなめらかに加速しますが、エンジンの回転数は1,500rpmをほぼキープ。エンジン・CVTの設定は3種類あり、燃費志向の「I」、スポーティーさを演出する「S」、ポテンシャルを目一杯引き出す「S#」と分かれています。設定はハンドルのスイッチで変えられ、特性がメーター間のモニターに表示されます。現在の設定は「I」ですから、「S」や「S#」にすればどれほどの加速を見せるのでしょう。この加速でも無理やり前方向に引っ張られている感覚がないのは、AWDだからなのかもしれませんね。燃費の面では良いとはいえないものの、この運転感覚を体験できるのならば不満はありません。「ずるいだろこれは」と思わず言ってしまいたくなるほど。
アイサイトもちゃんと機能していました。インプレッサと同様「EyeSight Ver.2」を搭載しているのですから当たり前ですが、やはり路上駐車のクルマを避けようとする際は車線逸脱の警報音がなっていました。レガシィの魅力は、アイサイトを使用した追従クルーズコントロールに与えられている「停止保持機能」。前のクルマが停止すると、自車もそれに合わせて停止。レガシィ各モデルはそのままブレーキを踏まずともブレーキが自動的に維持され、前車が発進した際にアクセルを踏めば自動的に追従走行に戻るというものです。半自動運転とでも言えるような機能です。
そういった魅力が目一杯ある中で、やはり気になるのは車体の大きさ。
高さは頭上に余裕が出るので不満は全くありませんが、やはり横方向の広さは気になります。あさかぜの地元、特に祖父母の家周辺は狭い道が多い状況で、レガシィで入ることができるのか。4輪のトルク制御のおかげで以前の4WDに比べれば小回りが利くようになったというAWDですが、やはり最小回転半径5.5mという部分には不安を感じざるを得ません。ただこれは車内から見ていた時の不安で、試乗していた時でも思った以上に左側の余裕があったので、慣れればなんてことはないのかも。
乗り心地はやはり固めですが、この試乗車の走行距離は500kmちょっと。まだまだこなれていないだけでしょう。長距離のクルーズをかなり意識して作られたクルマだそうで、乗り心地に関しては相当気合が入っているとのこと。心配することは無さそうです。
というわけで、2台試乗したのはいいですが…結局自分の中でどちらが欲しいのかわからなくなってしまいました。
インプレッサの長所としては、適度なサイズ、快適な広さ、取り回しのしやすさ、360度全方位の視界の良さが挙げられます。
一方のレガシィはといえば、パワフルさ、圧倒的な車内の広さ、運転時の安心感・安定感。
どちらも魅力いっぱいのクルマで、甲乙つけがたいというのが切実な感想です。
気になるのはお値段。もちろん300万円弱ほどしてしまう、お高い自動車です。
実はインプレッサG4とレガシィB4の価格差はさほどありません。レガシィの標準装備が相当に多いためでもありますが、インプレッサに少しお金を足せばレガシィが買えてしまう、という状況なのです。
ディーラーの営業さんによれば、
「よく気づきましたね、そこの部分。レガシィはモデルチェンジが迫っていることもあり、かなり熟成されているモデルなんです。インプレッサは今のモデルがデビューして1年半ぐらい。おそらく、最終的に払っていただく金額については、オンラインの見積もりで見られたよりももっと差が少なくなると思いますよ」
だいぶ濁して言っていましたが、つまりモデル初期とモデル末期では、値引き額が後者のほうが大きくなります。この営業さんが言いたいのは、最終的に値引きを含めた金額ではインプレッサとレガシィでは大きな値段差が出ないということだと思われます。そんなことを言われてしまうと、なおさら悩ましいですね。
まぁ値段差がなくなろうとなんだろうと、大きな買い物であることは間違いありません。あと半年ぐらい、悩みつつお金を貯めて、安心してカーローンが組めるぐらいにしたいものです。
しかし思わぬ所で現れたレガシィ・B4という選択肢。スバルも憎い演出をしてくれたものです。