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今日は首都を通り越し、空港のあるムハラク島へ。
ムハラク地区は、石油が採掘されるようになる以前の国の中心。再開発されてしまいましたが、今も一部に首長や豪族が住んでいた建物が残っています。
そのうちの一つ、真珠の貿易商だった人物の住んでいた「ベイト・シャディ」は、改装中で外から眺めるのみ。
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ここは「ベイト・シェイク・イーサ・ビン・アリ Bait Shaikh Isa Bin Ali」。19世紀初頭に建てられ、20世紀半ば頃まで使用されていた、首長の住居兼政府となっていた建物。
冷房などない時代ですから、壁の厚さは熱を遮るために1メートル以上。ウインドタワーという塔から風を取り込み、建物内部を冷やしていました。
首長の居住地としては驚くほど質素。以前も述べましたが、真珠の採掘で生計を立てていたような国です。これでもきっと豪奢な建物だったのでしょう。
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質素とはいえ、やはり首長の邸宅。
ドアというドアにはアラビア風の彫刻が細かく彫り込まれています。しかし、どうにも立て付けが悪い。経年劣化ではないレベルで立て付けがよくありません。窓枠なんて所々斜めに作られていますからね。
何というか、雑な作り。
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案内板によると、ここがどうやら来賓を迎えるスペースであったようです。
確かに風も通りますし、うだるような暑さの中で数少なく「涼しい」と思える場所です。
でも床は斜めですし、窓も斜めですから、何ともお粗末な作りであることは否めません。確かにここに絨毯などが敷いてあればそれっぽい雰囲気がでるかもしれませんが。
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雑だとかなんとか言いながらも、きっちりとくみ上げられた建物は非常に美しい。そしてまぶしい。夏の強い陽光で、建物が輝いて見えます。
この建物のすぐ裏にはモスクや小学校、そして商店街があります。厚い壁とぐるりと取り囲んだ城壁のような建物のおかげで、邸宅の中心部は驚くほど静か。
公開されているエリアは首長の邸宅の一部だけだそうで、実際はこの3~4倍はあったようです。
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暑い暑いとクルマに戻り、バーレーン島に戻って南へと向かいます。向かうのは、砂漠のど真ん中で1本だけそびえる巨木、「生命の木」です。
道路や空き地のあちこちに、白い車体に青い帯の入った4WD車を見かけます。警察の治安部隊です。2011年の動乱以降大幅に治安部隊の数を増やしたそうで、数分に1度の割合で見かけます。
道を外れても走れるように、大型のオフロード車を使用。トヨタ・ハイラックスや、写真の日産・パトロールを使用しています。この4WDのほか、装甲車も街中で時折見かけます。
ちなみに交通警察は、白い車体にオレンジ色の帯が入っています。セダンやスポーツカーを使用して、交通違反を取り締まっています。
逆に治安部隊は交通違反を取り締まらないので、彼らの前ではスピード違反をしてもおとがめなしです。
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島の東部を南へ下っていると、いよいよ砂漠しか目に入らなくなります。遠くの方に見えるトラックの隊列は、ゴミの輸送車。
「バーレーンではゴミの分別はいらない」
と書きましたが、道ばたのゴミ箱に入れたゴミはこうしてトラックに載せられてここまで運ばれてくるわけです。
そして、生ゴミだろうが不燃ゴミだろうが、とりあえず砂漠の真ん中に捨てる。あとは野となれ山となれというような状況のようです。使っていない土地は山ほどありますからね。
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バーレーンに限らずアブダビでもそうでしたが、観光客向けの看板なんてほとんどありません。地図と伯父の記憶を頼りにハイウェーを降り、砂漠の中の道へと進んでいきます。
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そしてこれが、砂漠の真ん中に生える巨木「生命の木 Tree of Life」。
本当にこれ1本だけが生えています。周りは生えていても小さな木だけなのに、これだけが巨木。
バーレーン王国大使館のウェブサイトによると、水源がどこなのかも不明。木そのものも、「アカシア科と思われる」とされているだけで、品種もよくわかっていないようです。
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枯れかかった木ではありません。青々としたきれいな葉っぱが覆い、よく見ると新しい芽も出てきています。文字通り、生命の力強さを感じさせます。
改めて周りを見回すと、やはり熱風が吹く砂漠。緑があるのはほんのわずか。本当に不思議な木です。
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島の南東部一帯からは石油が採掘されます。
生命の木のすぐ横にも石油採掘用の井戸が置かれており、石油を採掘していました。
中東ではいち早く石油を産出し始めたバーレーンですが、残っているのはあと20年分ほどだと言われています。そのために、中心街では高層ビルを建設するなど、商業や観光を主産業とするための努力が行われているのです。
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南東部には「石油博物館」も置かれています。
ここはアラビアで最初に発券され、採掘の開始された油井で、建物の正面には石油を採掘するための特殊な形をしたドリルが置かれています。
建物のすぐ横には「第1号油井」と呼ばれる、最初の採掘跡も碑文とともに残されています。
ところで、『地球の歩き方』によればこの石油博物館は無休となっていますが、これは誤りです。
営業日は金曜日と土曜日のみ。この日は改修中で、周囲にペンキのにおいが漂っていました。マナマの市街からはだいぶ遠いので、行かれる際は注意が必要です。
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バーレーンでは数少ない、お酒の飲めるレストランで昼食。もちろんお酒は飲みませんが。
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見るからに高級レストラン。
窓の外にはご覧の通り、会員専用のプールまで備え付けられているではありませんか。南ヨーロッパのリゾート地のようです。こういう施設の会員権はいったいいくらぐらいするんでしょうかねぇ…
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店内は絨毯敷き、各所にきれいな飾りもあったりして、見るからにいい雰囲気のレストランです。
メニューを見てびっくり。「こんなに高いの!?」と驚くほど、アルコール類は高い値段。グラスではなくボトルで取ること前提のメニューリストですが、ワインは4,000~10,000円ぐらい、シャンパンも1本1万円以上と、今までの食べ物の物価と比べるとびっくりするほどの値段です。お酒を飲まない国だからなのか、レストランの格式の高さが反映されているのかはわかりませんが、中東でお酒を飲むということは贅沢なことなのだと思い知らされました。
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すでに食べた後があって恐縮ですが、ランチのステーキ。高級レストランなので、値段に対して量はそんなに…なんて思っていたら、かなり大きなサイズのステーキがやってきました。
プレートの左側に写るトマトは、日本で売っているトマトとほとんど同じサイズ。ステーキの大きさがよくわかると思います。厚さも3cmぐらいある、大ぶりな肉。
左側に添えられているのは、マッシュポテトの山。これまたたっぷりと盛られていて、このプレート1つで満腹です。日本のレストランよりもコストパフォーマンスはかなり高め。
夕方になり、関西へと帰国する従姉を空港まで見送り。ドーハ経由のカタール航空だそう。
伯父も伯母も自分の愛娘をずいぶん心配していました。
…そういえば我が家の人々は何も連絡してきませんね。自分でもすっかり忘れていましたが。
初日に「着いたよ」と連絡して以来、何も連絡を取り合っていません。よく言えばドライですが、ただ単に関心がないだけという気がしてなりません。
とにもかくにも、明日従姉から「無事に着いたよ」という連絡があることを心待ちにして、夜を迎えます。